2006年 02月 07日
尾道にて |
RICOH Caplio R2
尾道(おのみち)は小さな港町だ。映画やドラマにもよく登場する町です。志賀直哉や林芙美子でも有名な文学の町でもあります。長い出張の帰りに憧れの(映画やドラマで洗脳されているのだ。)尾道の町へ初めて足を向けた。路地と階段が入り組んだ町並みは歩くには最適というより徒歩に拠らなければどこにも行けない。と、そんな感じの町だ。
港沿いを歩くと手に取るほど近くに向島が見え、今話題の「男たちの大和」のオープンセットも見える。その島の間の短い水道を小さなフェリー(渡し舟といってもいいぐらい)が行き来し通勤、通学の足になっている。JR山陽本線のガードをくぐり山手の方角に歩き出すと坂の町と言われるように狭い階段や細い坂道が縦横に走っている。行き止まりになってしまうのではと思うような道をたどると突然、目の前に寺や学校が現れたりする。それほど町のサイズの割りに寺院や学校が多い。観光地化されたところもあるが総じて静かな町です。平日の寒い季節の印象ですから観光シーズンに訪れるとまた違う印象かもしれません。雨が降ったり止んだりという天候でしたが長い出張が続きシャッターが切れない日々が続いたのでその反動なのか思った以上にフィルムが進みました。尾道らしい写真が撮れたかと言われると相変わらず路地と変な看板の写真ばかりのようで日本中どこに行っても同じような所を撮っているようです。(笑)
今回帰阪前に寄り道をしてよかったと思うことは尾道で触れ合った人の優しい心です。夜、一緒に開いている食堂を探してくれたタクシーの運転手のおじさん、お世辞にもきれいとは言えない古いビジネスホテルのフロントの方、商店街の中にある銭湯を改造したコーヒーショップのママ。思いやりに溢れた態度と言葉、そして久しぶりに一日中シャッターを切れたことで幸せな一日を過ごせた。いくら小さい町といえど一日では探索し切れません。
今、D76を溶解しながら光が溢れる時期にもう一度訪れたいと考えています。
by leica-m8
| 2006-02-07 23:53
| colum