2005年 10月 27日
MiO写真奨励賞2005 |
大阪市天王寺区のMiOホールで開催中のミオ写真奨励賞2005入賞者写真展を見てきました。NETでお友達になった兒嶌秀憲氏の作品を見ることがメインだ。彼は何度もミオ写真奨励賞に入選されています。正面入り口から見える所に展示されていてひと目で彼の作品だと分かる。彼の作品はまっすぐ対象を捉えまっすぐ撮るという正攻法の写真です。プリントにもあまり手を加えていない現代では泥臭いといってもいい位まっすぐな写真です。だから僕は大好きなのですが、彼のような写真が入賞する写真展というものにも興味がありました。
だいたい新人発掘を謳った写真展(ミオ写真奨励賞の応募資格は35歳まで)の入賞作というのは奇をてらったものか流行りのゆるい写真が多く、モノクロでまっすぐに撮った写真というのは見掛けのインパクトが不足というのか素人受けしないし時流という波にも乗れない写真のようでいい作品だなと思ってもたいがい選考から落とされているのだ。
本当はまっすぐに見つめる視線の強さというのは写真の最も強い力なのだが受け流されてしまいがちのようで残念だ。今回、ミオ写真奨励賞の受賞作品を見て兒嶌秀憲氏の写真が選ばれた理由が少し分かったような気がした。
今回のグランプリを受賞した中国のアドォ(SHEN Chen)さんの作品、公車和人(bus and chinese people)(バスの乗客を撮ったモノクロ作品)も直球勝負の作品だ。ゆるぎない視線でまっすぐ撮られている。撮影者に迷いやブレがないし被写体になった人々もまっすぐな視線を返している。(こっちを見つめているという構図上のことではなく撮影者の視線をしっかり受け止めているということ。)こういう写真がグランプリに選考されるミオ写真奨励賞というのはなかなかのものだ。
他の受賞作品も視線の強さを感じる写真が多い。選考者の顔ぶれに島尾 伸三氏、平木 収氏の名があることもあながち無関係ではないだろう。
気分がよかったのでLee Friedlanderの写真集を買って帰った。
by leica-m8
| 2005-10-27 00:37
| 写真