2006年 08月 02日
スナップにおける肖像権とプライバシー侵害 |
Leica MP Summicron 50mmF2.0
写真家の横木安良夫氏がスナップ撮影と肖像権、プライバシーに関した記事を書かれています。横木安良夫氏は以前にも写真と肖像権、プライバシーに言及されています。その意見は撮影する時とその写真を利用する時の考え方に二分できます。ご本人もラフで乱暴な意見と断った上で「公道上で撮る被写体にプライバシーを認めていない。ただし被写体を貶めるような場面は撮らない。」「自由に撮影した写真が自由に使えるわけではない。」そして信念さえあれば訴えられても受けて立つ気持ちで自分の撮影の正当性を説明出来ないような撮影をすべきでない。概略としてはこのようなことですが誤解の無いようにここを読んでいただきたい。
翻って自分が撮影している時の気持ちはどうでしょうか。確固たる信念を持って撮影しているでしょうか。上の写真は土曜日のある公園の写真です。ホームレスと思しき男性がベンチで寝ている傍を親子が通り過ぎる場面です。人物がこれほど小さいと誰と認識出来ないのでプライバシーの問題にならないのかもしれませんが、僕はこの場面を縦横5回シャッターを切っています。幸福を論じる目的や対比の面白さや人生についてなんていう考えがあってシャッターを切っているかというと(後では何とでも理由を付ける事は出来ます。)何も考えていません。目の前で繰り広げられている色々な風景の一つに何かを感じて反応しシャッターを切っているとしかいえません。「信念を持って」という意味をもっと掘り下げて考える必要があります。面白いからシャッターを切ったでもいいんですね。それは「なぜ写真を撮るのか」という本質に関わる問題だからです。
by leica-m8
| 2006-08-02 23:11
| colum