2005年 08月 05日
優劣ではない |
Leica Ⅲf Elmar 5cm F3.5
デジタルの描写が銀塩を凌駕したとか、銀塩の質感には遠く及ばないなどとさまざまな意見があります。科学的、数値的には違いがあるのは当然ですが、こと人間の知覚範囲内では区別が付かないところまで来ています。少なくとも僕には印刷か印画紙によるプリントか区別が付かないということが間々あります。
技術論における優劣は写真の製作者側の立場に立ったときには何の意味もない。あるとしても別の次元の問題です。どちらの入出力であっても自分の思ったように表現できるかどうかが問題なだけです。デジタル入力-デジタル出力、アナログ入力-アナログ出力、アナログ入力-デジタル出力(ここでは、デジタル出力=プリンター、アナログ出力=印画紙による焼付けと単純なプロセスと考えてください。)と色々な方法が選択肢としてあるだけで、結局は優劣の問題ではなくどちらのプロセスが自分に向いているのか、もっと端的にいえばどちらが好きなのかという嗜好の問題になりつつあるように思う。
適切な例ではないかもしれないが、絵画における油彩と水彩の違いのようにどちらで描かれたものに価値があるのではなくどちらが好きなのか、立場を変え製作者側としてはどちらで表現したいのかということと同じだと思う。
デジタルとアナログを優劣で論じていては何も見えてこないし間違った方向に進みそうに思うのだが、どうだろう。もちろんどちらも好きということに何の問題も無い。
by leica-m8
| 2005-08-05 16:41
| colum