2005年 07月 29日
中判スナップのススメ |
Hasselblad 503CX Distagon C50mmF4
ストリートフォト(スナップ)にふさわしいカメラといえば35mm判だろう。元々、誕生のきっかけが三脚との別れを目指したものなのだから理にかなっている。小型軽量ハンドリングが楽とくればこれ以上のものはない。一日中歩き回るストリートフォトの強い味方だ。(コンパクト・フィルムカメラやコンパクト・デジカメの話はここでは問わない。)2台のカメラと数本のレンズを携帯しても機動性を損なうことはない。また、35mmフィルムの適度に荒れた画面は現実感や時間の移ろいを記録するのにふさわしいフォーマットかもしれない。が、あえて僕は中判カメラによるストリートフォトをすすめたい。
中判カメラといえば大きくて重い、機動性に欠けるとお思いかもしれませんが使って見ると案外快適です。中判以上のフィルムサイズには6cm×4.5cm(645)、6cm×6cm(66)、6cm×7cm(67)、6cm×8cm(68)、6cm×9cm(69)、4inch×5inch(シノゴ)、8inch×10inch(エイトバイテン)なんてA4ぐらいの大きさのフィルムを使うカメラまであります。中でも使いやすいのは中判と呼ばれる69までのサイズでしょうか。カメラの形も普通の35mmカメラを大きくしたようなデザイン(ハッセルやローライは少しデザインが違いますが取り扱いは同じ)で特殊な技術は必要ありません。画質も35mm判とは別世界のものです。
しかし僕が中判をすすめる最大の理由は画面の大きさ(画質の向上)ではなく画面のかたちです。35mm判の画面サイズは24mm×36mm、縦横比は1:1.5です。同様に1:1.33(645)、1:1(66)、1:1.23(67)、1:1.36(68)、1:1.48(69)という縦横比になっていて35mm判と最もかたちが違うのは1:1、正方形の(66)と呼ばれるもので次に違うのは1:1.23(67)と呼ばれるものです。
画質云々よりもフォーマットの違い、端的に言うならば画面の縦横比の違いで写真の印象が変わります。撮るこちらがわも変わります。トリミングをすればどんなかたちにでもなるという考え方とは180度違うことです。普段と違った画面は新らたなる発見につながるのではないでしょうか。
by leica-m8
| 2005-07-29 14:06
| colum